REPORT

京音vol.03

京都の音楽レーベル、ライブハウス、ラジオ局、TSUTAYAなどがタッグを組み、京都から新しい音楽を発信するために立ち上げたプロジェクト「京音 -KYOTO-」。3回目の開催を迎えた今回は、個性豊かな京都発の気鋭バンド4組に加え、スペシャルゲストとして奇妙礼太郎が京都MUSEに集結。過去最大の動員となった。

ダイジェストムービー

 

トップバッターは男女混成スリーピースバンド、加速するラブズ。いくみ(Dr/Vo)の突き抜ける明るい歌と、カーミタカアキ(Gt/Vo)のまっすぐでどこか不器用な歌が混ざり合うツインボーカルが魅力。淡くエモーショナルな「ボアダム」、ふじぴー(Ba)のベースラインがうねりを上げる「Xmas Song」、疾走感溢れるバンドサウンドを轟かせたラストナンバー「捨てられない魔法」など、バラエティ豊かな楽曲を披露。若さと勢いだけでなく、たしかなポップセンスが込められた楽曲と、初期衝動むき出しの演奏に心を鷲掴みにされるステージだった。

 

二番手は京都で活動するシンガーソングライターの中村佳穂。登場するやいなや、サポートメンバーのボイスパーカッションとダンボールで刻まれた独特のリズムに乗せ、自己紹介を混ぜ込んで歌うアドリブを披露。瞬く間にグルーヴを生み出していき、気持ちよさそうに踊る観客とお祭り騒ぎに! 曲中に小沢健二の「今夜はブギーバック」を織り交ぜたり、だれもが馴染のある「あんたがたどこさ」をソウルフルに歌い上げたりと、遊び心溢れるステージで練り上げられたグルーヴには痺れる。エモーショナルに鍵盤が鳴らされた「口うつしロマンス」のラストに至るまで、なにより純粋に音楽を楽しむ姿勢でぶつけられたライブは痛快だった。

 

明るいステージから一転して、ドープに独自のミニマルな音を鳴らし続けたのは京都の気鋭インスト・トリオ、YYBY。「beginning」、「openning dub」と立て続けに披露されると、観客もYYBYサウンズへとぐいぐい引き込まれていく。脈打つように繰り返される打ち込み音と、ドラムやパーカッション、ベースの生音が重なっていく内にトリップしたような感覚へと誘われる。最新曲「wudu」からラスト「off course」へ差し掛かるにつれて演奏が熱を帯びていき、洪水のように押し迫る音圧に歓声が巻き起こった。

 

ひとすじなわではいかないステージをみせたのは、現役大学生バンドの本日休演。昭和の香りがするサウンドに、ロックやカントリー、ジャズなどジャンルに捉われない要素を吸収させた個性的な楽曲が心に染み渡る。サイケなナンバー「アラブのクエスチョン」では、埜口敏博(Ky)が突如ステージ中央で不気味に舞い踊るパフォーマンスも。最高潮のまま、最新アルバム『けむをまけ』から「けむをまこう」で終了。童謡にも似たポップなナンバーから、悪い夢でも見ているようなカオスな演出まで、強烈な印象と興奮を残して大トリへとバトンを繋いだ。

 

スペシャルゲストで大トリと言っても、いつも通りにのらりくらりと登場したのは奇妙礼太郎。センチメンタルな「天王寺ガール」、自身がボーカルを務める天才バンドから「firefly」など、弾き語りでソウルフルな歌声を届ける。中盤に差し掛かった頃には、切れてしまったギターの弦をステージでせっせと張り直すマイペースな一幕も。ハプニングもひょうひょうと乗り切り、和やかなMCから一転、ドラマチックな歌と演奏で一瞬にして空気を作りあげる緩急が堪らなくカッコいい。名曲カバーを挟みつつ、ラストは人気曲「機嫌なおしておくれよ」を堂々と響かせて本編終了。アンコールでは、どこかで貰ってきたおせちのカタログをめくりながら、即興で「おせちの歌」を披露(!?)。どんなありえない歌詞でも、聴き手を思わずうならせてしまう切なげな歌声とグッドメロディ、そして人柄には脱帽させられる。最後まで“奇妙節”が効いたステージは大団円で幕を閉じた。

同イベントは、2月3日(水)に初のコンピレーションアルバム「京音-KYOTO- vol.1」のリリースが決定している。更に、レコ発イベントとして4会場を巡る、ゴー・ラウンド・イベント「京音-KYOTO- 2016」の開催も決定! 新たな音楽との出会いに飛び込んでみては?


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