REPORT

京音vol.01

京都のレーベル、ライブハウス、ラジオ局、TSUTAYAなどが発起人となり、京都から良い音楽を届けるために立ち上がったプロジェクト「京音-KYOTO-」。その記念すべき第1回目のライブがMETROで開催された。

ダイジェストムービー

 発起人たちの挨拶とプロジェクトの説明が終わり、ひとバンド目となるshe saidが登場。立命館大学の名門サークル「ロックコミューン」現役学生からなる女子ふたり男子ふたりの混合バンド。全編英語詞で、女子のキュートなボーカルが場を和ます。緩やかながらもキラキラした雰囲気を持ち、ミラーボールも回る中、楽曲を披露していく。少しいびつな感じや気だるそうな空気感もあり、そこに新鮮さも感じられる。一番手の自分たちから多くの観客が集まった事への感謝も、しっかりと述べていた。今後が楽しみな若人たちである。

 

二番手はSeuss。男性4人からなり、ワインを飲みながら現れるなど、どこかファンキーさも垣間見える。実際に歌いだすと甘い声に甘いメロディー、しかしダウナーな感じで、一気に異空間に場を仕立て上げる。「いつもこんな感じです」とへらへら笑いながらも、フロント3人が客席に背を向け、ドラムと見つめ合いながら、まるで洪水のように音を鳴らしていく様は中々であった。一見ふざけているように見せながら、あくまで、それは照れ隠しであり、ストイックにサイケデリックな音を鳴らすバンドであった。

 

三番手はDENIMS。個人的には、この日の若手4バンドの中で一番爪痕を残したように想う。穏やかな雰囲気で英語詞の京都発バンドが続いた中、初っ端から軽快なリズミカルナンバーを鳴らし、「大阪からゴリゴリの日本語ロックバンドが来ましたよ!」と観客を煽る。そして、「swing swing」、「EIEIEI BENNY」と立て続けに観客を躍らせる事を意識したナンバーを放り込む。新曲も披露するが、ウエスタン調な楽曲で、あくまで躍らせることを忘れない。最初は茫然としていた観客も徐々に熱を帯びてきたのか、手を上げ始める。「好きなように踊って、好きなように楽しもうぜ!」というボーカル釜中のMCが、とても心に響いた。良い意味で雰囲気をがらりと変えたアクト。

 

四番手は京都期待のホープであるHomecomings。リハーサルからメンバーが積極的に音を出していくが、すでに疾走感が伝わってくる。気が付くとフロアは観客で満杯、期待度がわかる。電飾で彩られたステージも可愛らしい。「GREAT ESCAPE」では、ギターのカッティングにドラムのリズムが絶妙に合わさり、心地よい。京都の大学生と思われる観客の男子が「たまらん・・・」と言って痺れている姿を見て、本当に地元の同世代から愛されているのだなと感じる。リハで伝わったような疾走感、そして迫ってくるようなタイプの楽曲もあり、そこは新たな発見であった。教室の休憩時間のようなMCも御愛嬌。しっかりとドリーミーな世界を魅せつけられ、彼らも憧れだと語る大トリへとバトンを繋げた。

 

夜も10時は過ぎた頃、くるりから岸田繁が弾き語りで登場。いきなり鹿児島民謡の「おはら節」を歌い上げる。英語詞に慣れていた中、霧島や桜島とういうフレーズを聴き、改めて日本語の強さを感じさせられる。 「『京都のバンドが出るから出て下さい』と言われて出たんやけど、ブルースやカントリーのおっさんばっかと思っていたら、みんなオシャレやし、曲いいし、英語やし、どうしよう?!俺、『桜島』とか言ってるし・・・」と笑わせる。「洋楽のカバーでも」と話して、披露されたのはCCRことCreedence Clearwater Revivalの「Have You Ever Seen the Rain?」。ロッド・スチュワートやラモーンズのカバーでも知られる名曲で、この日の英詩バンドへの返答をしているようにも感じた。「みんな、バンドで羨ましい」と嘆いた後は、 くるりの「さよならアメリカ」。京都で主なレコーディング作業を行った2010年のアルバム「言葉にならない笑顔を見せておくれよ」からのナンバー。たった3曲だが、すっかり場の主導権を握る。京都は地方から出てきた人が盛り上げてくれているという話題から、岐阜出身で京都で活動していたどんとがs\在籍していたバンドであるボガンボスから、「夢の中」をカバー。観客とのコール&レスポンスも行い、完全に場は森縣状態に。そしてくるりの「街」へと雪崩れ込む。「この街は僕のもの」という歌詞から始まる衝動的なナンバーから、岸田の京都への熱く揺るぎない想いが伝わってくる。フロアからは、あまりの衝撃に感動して、むせび泣く観客の姿も見受けられた。 「オシャレな曲をやります」と言って、岸田が参加するユニットのサンフジンズから「ふりまいて」を。そして弾き語りでは初だというくるりの「ロックンロール」で〆られた。アンコールでは、「今日は英語のバンドが多かったから、英語の歌を歌います」と言って、OASIS「champagne supernove」を披露する。自身のルーツミュージックとも言える90年代洋楽の代表曲。「今度はバンドで呼んでください」、そう言って、岸田は去って行った。圧倒的な貫録、そして京都の深みと凄みを知れたステージ。次回はどんなミュージシャンが集まるのか、今から楽しみである。


TO PAGETOP

TO TOPPAGE